単純ヘルペスとは
単純ヘルペスウイルスは感染力が強く、直接的な接触の他にウイルスがついたタオルやグラスなどを介しても感染します。 したがって、親子、夫婦など親密な間柄で感染する事が多く、俗に「愛のウイルス」といわれたりします。 このウイルスの特徴は最初に感染(初感染)して免疫を獲得して、その人に抗体ができても機会があれば再感染や再発を繰り返します。 大人にみられる口唇ヘルペスのほとんどが再発型で、年に1〜2回の再発が多いようです。
抗体を持っていない人が増えています
単純ヘルペスには1型と2型の2つのタイプがあります。
1型は唇、顔面など上半身に、2型は性器を中心とする下半身に主に発症します。
以前はほとんどの人が乳幼児期に周囲の人々との接触により1型に感染して抗体を持っていましたが、衛生状態の改善や核家族化などの影響で、今日では20〜30代でも半数ぐらいしか抗体を持っていません。乳幼児期の初感染は症状がないか、あっても軽いのに対し、大人の初感染は症状が重くなりがちです。
なお、1型に対する抗体を持っていると1型だけでなく2型にも感染しにくく、発症しても軽症です。
皮膚症状は2週間ほどで治ります
初感染であるのか再発であるのか、体調の善し悪しなどの要因で症状の程度は異なりますが、口唇ヘルペスは基本的に4つの段階を経て2週間ほどで治っていきます。
前駆期の症状
症状:ピリピリ、チクチク、ムズムズする
水ぶくれがあらわれるのに先立ち口唇ヘルペスのきざしがみられます。
皮膚にピリピリ、チクチク、ムズムズなどの熱感、違和感、かゆみを感じます。
再発を繰り返す人は自分でわかりうようです。
はじめに現れる症状
症状:赤くはれる
皮膚の熱感、違和感、かゆみなどの自覚症状から半日以内に赤くはれてきます。
この時期は患部でのウイルスの増殖が活発です。
このような早い時期に治療を始める事が大切です。
2〜3日後に現れる症状
症状:水ぶくれができる
赤くはれた上に水ぶくれができます。
この中にはウイルスがたくさん存在します。水ぶくれは初感染では大きく、再発を繰り返すと小さくなっていきます。
水ぶくれが破けてしめっぽくなった患部に触ると感染します。口紅などが合わなくてできる水ぶくれは唇全体にできるのに対し、口唇ヘルペスでは、一カ所にできるのが普通です。
回復期の症状
症状:かさぶたができる
かさぶたができて治っていきます。
単純ヘルペスは皮膚に痕を残さないのが特徴ですが、体の抵抗力が低下している人では、えぐれた痕が残ることもあります。また、まれに患部近くのリンパ節がはれることもあります。